ヤマかけ歯科医師国家試験

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【口腔外科】骨髄移植後の合併症

今回の問題はこれ。

骨髄移植の合併症

 

答えを思い浮かべてください。

 

 

 

 

 

今回の大切なところは以下の通りです。

①「移植後」と言うワードが出てきたらGVHDを思い浮かべる
GVHDは自己免疫疾患ではない

 

骨髄移植後の合併症でまず1番初めに考えなければいけないことは何ですか?

GVHDです。

aの選択肢。口腔セネストパチー。

これは患者が、「歯が回っている感じがする、歯が踊っている、」など奇妙な表現で口腔周囲の異常を訴える心身症の1つです。これは移植後の合併症で起きることではないのでバツ

bの選択肢。口腔結核

口腔結核はMycobacterium tuberculosisの感染で発症します。
移植とは因果がないのでバツ

c口腔粘膜着色。

この原因は色々。Addison病などの全身疾患によるものもあれば、外因性のものなど様々ありますが、合併症では併発しません。

eの口腔白板症。

白板症の発生機序は現在不明です。もちろん合併症として出てくることはないのでバツ

よってdが正解となります。

 

GVHDには2種類ありましたね。急性GVHDと慢性GVHD

急性GVHDは移植後2週目ほどに出現し、全身的に症状が出やすく、皮膚の紅斑や消化管症状を呈します。

慢性GVHDは移植後100〜400日という比較的後期に発生する症状で、口腔内に症状が早期に出現します。

慢性GVHD時に出現する口腔症状は以下の通りです。

→扁平苔癬口腔、口腔乾燥、潰瘍、摂食障害、二次的口腔がん

自己免疫疾患の記事でも書きましたがもう1度おさらいです。

したがって答えはd。

覚えておいてくださいね。