ヤマかけ歯科医師国家試験

ヤマかけだけでストレート国試合格を果たした現役歯科医師が運営するブログです。

歯科医師国家試験を振り返ってみる

いよいよ発表が明日になりました。

受験した皆さん、本当にお疲れ様でした。

試験が終わった後も生真面目に見直すのは、根を詰めすぎです。

せっかく国試のために調整して頑張ってきたんですから、試験が終わったらちゃんと自分の好きなことに熱中してください。

かくいう私も国試を受験し合格し歯科医師として働いているわけですが、終わった直後なんか、放心状態でした。

特にめちゃくちゃ勉強を頑張ったとかではないんですが、やっと6年間の監獄生活が終わった感じがして、本当に嬉しかった。(合格発表まだなのに)

1日目にみんな必修だけ自己採するんですが、あんまりおすすめしません。

私は結局終わってもなんの自己採点もせず、大学から採点を催促されてやっと麻布の採点サービスに打ち込んだぐらいです。

結果変わらないならやっても無駄だとか思ってたんですが、やっぱり統計取る以上協力はしとこうか、、ぐらいのモチベーションで。

直前は1日15時間とか勉強していました気がします。

6年生は2つの不安があります。まず大学を卒業できるか、それに歯医者さんになれるかどうか。

私は人より勉強量が少なかったので、その点の不安は少なからず抱えていました。

その上でなぜ合格できたのかを客観的、主観的に考えてみました。

ちょっとは参考になるかな、と。赤裸々に挙げます

下に思い浮かぶもの挙げてみます。

 

・なんとかなるやろ、という根拠のない自信があった

・講義資料をほとんど見ずに問題演習に9割の時間を占めていた

・大学の勉強はほどほどにして市販の教材で対策をしていた

・一秒でも早く大学を抜け出したいと思っていた

・1週間の予定をタスクベースで立てて、それをこなせば良いだけにした

・授業中の板書をほとんどしなかった、必要なところだけメモしてた

・苦手な分野を早期に発見してその分野だけやりまくっていた

・ブループリントからどの分野が何問ぐらい出るのかを試算して『範囲が多いけど難しいところ』『問題数少ないけど確実に得点できるところ』『苦手なのによく出る分野』を狙い撃ちしていた

・細かくテスト形式にして、点数を常々客観視できるようにしていた

 

といったところでしょうか。もちろんこうしとけば良かったな、、、と思うことも挙げてみます。

 

・直近3年分の国試を通しで解かなかった←本当に後悔した

・もっと真面目にやれば良かった

・もっと問題演習の量を増やすべきだった

・todoをどう立てていいか分からず、タスクを詰め込みすぎて毎日消化不良だった

・自分がわからない部分を聞く場所がなかった

・勉強法で悩んだとき、周りの人に聞くのが恥ずかしくてPDCAサイクルを回せなかったので効率悪い勉強をしていた 

 

たいていの悩みは、勉強法が間違っていることによる成績不振と、モチベーション低下です。ほとんどこの2つです。

 

こうしてたらもっと楽に受かったのになというのが多く残ったりもしたので、じゃあ自分でそれが達成できる塾があれば良いと思い立ち、作ったわけです。

 

大事なのは環境であると、いつ気づけるかが大事だと思った受験生時代でした。

歯科医師国家試験の合格率が低い理由

歯科医師国家試験と検索すると、「闇の合格率」など候補に出てきます。

 

今の時期、卒試も終わり中弛みしてしまう人も多いので、気をつけてください。

 

直近の歯科医師国家試験第116回を見てみましょう。

合格率は63.5%。出願者比で見れば合格率は54.7%まで落ちます。

現役生は出願者2383人に対して実際の受験者は1919人。

464人の現役生は受験会場に来ていません。

来ていないというか、現実に来ることができなかったということ。

卒業試験などでこけてしまったのでしょう。

これを加味すれば、出願者に対する合格者は62.2%。

医師国家試験ではあり得ない数字です。

相対評価ですから、厚生労働省が増えすぎた歯科医師を抑制します。

その結果、全体で見れば、

45%の受験生は落ちて浪人することになります。

これは117回でも変わらないでしょう。

自分も例外ではないことを心の片隅で良いので、置いておきましょう。

自分より成績が悪かった人が国試に余裕で受かって自分が落ちた、という経験をした人も少なくないはずです。

 

しかし逆を返せば、私のような元々努力ができない人間でも逆転合格できる可能性は大いにあります。

 

私は自分の生徒さんたちには「個別指導で、知識を買おうとするんじゃダメだよ。合格の安心と自信を買うんだよ。ここで学んでいるんだから大丈夫だという安心と自信を。」と教えています。

私が教えている生徒は知識はないけれどやる気がある人たちが多く、

効率厨の私より成長速度の早い生徒さんも結構います。

そういう人たちが、元々成績の良い人を追い抜いて合格していくのは

見ていてとても嬉しいです。

教えていてよかったなあと思う瞬間です。

おそらくですが、私が教えた人が受かる人が多いのは

・覚えるべきところと覚えなくてもいいところがとても明確

・理解を伴って覚えるべきところと、理解しなくても良いから覚えるべきところを教えている

からだと思います。

全てに理由をつけて覚えようとしている人がいますが、

私の体感で言えば落ちる人が多いです。

まずそもそも時間がないです。

成績上位者で余裕があればそれでも良いですが、

そうでもない限りしっかりと理解するべき部分、ただの暗記で良い部分を分けるべきです。

ほとんどの受験生はこれがわかりません。

なので、その部分を私が教えているという感じです。

だからスピード感を持って勉強ができるということです。

理解を伴わないと、覚えられないという人がいますが、

そんなことはないことを認識して下さい。

それを解消するのが「反復」であることを覚えておきましょう。

1つの事実を覚えるのに理解を求めたら、合格までに3、4年はかかります。

 

テストの結果でバカにされてきた人が、

私が微力なりとも教えてきた知識で

受験生のランキングを上へ駆け抜けていくことが本当に私のモチベーションです。

勝負事は残酷です。

知識がなければ落ちます。

運がなくても落ちます。

運を掴むのは、根拠のない自信を持ち、当日まで努力し続けられた人です。

運と実力を掴んだ人に、試験会場の悪魔は太刀打ちできません。

【部分床】よく出る磁性アタッチメントの覚えるところ

先ほどの記事の続きです。

磁性アタッチメントは国試作成委員にも研究している人が入っていたはずです。

覚えれば簡単なので落とせないところです。



覚えるべきなのは、

①構造 ②特徴 ③製作手順 

の3つ。

 

①磁石は2種類。その元素を覚える。キーパーの付け方が国試に出る。

②磁力はなんの力?→「維持力」(❌支持、把持)

③製作手順で出題されるのは「レジンハウジング」を用いた製作

 

①構造

そもそも磁性アタッチメントは、「磁力で義歯を外れにくくしましょうね」、という義歯のこと。それに加えて、「お年寄りの人、手がうまく動かない人」のための義歯であることも覚えておきましょう。

義歯には着脱方向がありましたね。実習などでも、患者さんの義歯を外そうとしてもなかなか取れにくかった経験をした人も少なくないでしょう。

義歯は意外と外しずらい」んですね。手の麻痺した患者さんが入れ歯を外すのに苦労してしまいます。だから磁性アタッチメントを使用します。

磁力であれば、外す方向が自由です。ちょいとずらせば義歯が取れます。

つまり「指向性(外す方向)が無く、巧緻性の低い患者に有利」です。

磁石でカチャっとはめて外すことができる便利なやつです。

また、磁力は減衰しないので長期使用しても性能が劣化しません。

テストに出る構造のポイントは以下の通り。

⑴磁石の元素→ネオジム磁石ならNd,Fe,B サマリウム・コバルト磁石ならSm,Co
⑵キーパーの装着には、鋳接するよりも「セメントで接着」する方が良い。

 

磁石の元素記号がテストに出ます。

この5つ(Nd、Fe、B、Sm、Co)を覚えておきましょう。

また、磁石構造体は口腔内に設置されるのではなく、「義歯に取り付けるもの」なので注意です。

続いてキーパー。

キーパーとは、根面板の上に取り付けられる構造のことで「磁石とくっつく部分」です。

つまり根面板をつけただけではだめで、キーパーを取り付けなければならないということです。「根面板は磁石とは接しない」と覚えましょう。

キーパーは実際に磁石と接する場所なので重要です。

根面板の上にキーパーを取り付けるわけですが、その取り付け方には2種類あります。

1つは、「鋳接法」と言います。

根面板のワックスアップを行って、そのワックスパターンの中に実際の磁石を埋め込みます。それをそのまま鋳造してしまいます。

つまり鋳造の時にワックスが溶けて金属が流れ込んで、

根面板とキーパーが一塊となる」んですね。

ということは、キーパーは、一緒に鋳造されに炉の中に入るわけですからとてつもなく高温の状態にさらされます。

高温にさらされたキーパーはどうなるでしょうか。

キーパーは、磁性ステンレスという金属なので、金属が高温になれば「酸化膜」を形成します。

また、根面板を鋳造したら、当たり前に鋳造収縮を起こします。

その勢いでキーパーがズレます。

前の記事でも話したように、キーパーがズレてはいけません。

鋳造して接着する鋳接法では、変形や酸化膜形成といったデメリットが存在するんですね。

だからあまり好まれません。

一応対策として、キーパーの上面を平らに研磨することである程度回復します。

次に「KB法」という方法。

キーパーボンディングの略です。

これは簡単で、根面板のワックスアップ時にキーパーが入る部分のスペースを開けておきます。(キーパートレーというものを用います。)

それを鋳造したにキーパーをセメントで取り付けます。

すると、「酸化膜が形成されず、変形も生じない」ものが出来上がります。

このセメントは「レジンセメント」です。覚えておきましょう。

特にキーパーボンディング法(KB法)が国試に出題されやすいです。

 

②特徴

磁性アタッチメントで覚えるポイントは以下の通り。

 

⑴キーパーよりも大きな磁石を使ってはいけない
⑵義歯から支台歯への側方力は弱いため、支台歯が保護できる
⑶垂直方向への離脱時に磁力は最大限効果を発揮する

 

磁石が効果を示すのは、側方の力ではなく垂直方向への力です。

なので義歯を真上に取ろうとしてもなかなか取れません。

また、大事なのが、「磁石とキーパーは同じ幅にする」ということ。

磁石は「閉磁路」というものが存在します。

冷蔵庫に磁石を貼り付けても普通にくっつきますが、

磁石を冷蔵庫からはみ出るように端っこにつけると、磁力が急激に低下して剥がれ落ちてしまいます。

これは閉磁路が崩れるから。

「磁石の面は必ず全て覆わなければいけない」と覚えても良いです。

 

③製作方法

前の記事でも書きましたが、簡単におさらいしておきましょう。

大事なポイントは以下の通り。

⑴根面板は、顎堤と平行ではなく、「咬合面」に平行にする。
⑵ハウジングを行うときは模型上で「荷重をかけた状態」で硬化させる。

 

よく問題で出ますが、

「根面板は、顎堤と平行に設置する」

これはバツです。咬合面と並行に設置してください。

ハウジングとは"housing"と書きます。

つまり囲い込むってことです。

基本的に、義歯床と磁石構造体の固定は「口腔内で直接」行います。

直接法で行うということは、エラーが起きやすいとわかるはずです。

このエラーを起こさないために模型上でハウジングを製作します。

ハウジングを製作したら、義歯上のハウジング相当部分をガッツリと削ります。

それでハウジングが義歯に入るスペースを確保します。

前記事でも載せましたが、

「磁石に合わせて義歯の位置を決めている」と考えてもらって良いです。

磁性アタッチメントで重要なのは磁力です。この磁力を最大限発揮させるため

磁石の位置を基準として義歯の位置決めを行い、固定しています。

ハウジング=ずれないようにする

ことを覚えておいてください。

 

長々と話しましたが、国試に出やすいポイントでした。

【部分床】114C84 磁性アタッチメントの構造と目的

ラインからの質問返信です。114C84がわかりません。

 

今回の問題はこれです。磁性アタッチメントで義歯を作る際の各構造の働きがわかりますか?という問題。

根面板は支台歯についていて、FMCみたいなやつ。

とは言っても咬合面は真っ平らです。

磁性アタッチメントの問題で、磁石とレジンの複合体が出てきたらそれは「レジンハウジング」です。

ちなみに、磁性アタッチメントは自費です。やる人あまりいないと思います。でもテストには出ます。

問題のポイントは以下です。

 

・レジンハウジングは、支台歯側ではなく義歯側につける
・磁石構造体は義歯側につける
・レジンハウジングで磁石を埋め込む理由は、根面板と磁石の位置を正確にするため

 

模型に金属の支台歯みたいなのがくっついています。これが根面板。

問題文からわかるように、キーパー付き根面板です。

次に、プラスチックに金属がついています。

この面とこの面がくっついて、磁石の力を利用した義歯が出来上がるわけです。

普通に考えたら、義歯にそのまま「ここだな〜」って部分に磁石を埋め込んで、

磁石入り義歯を作って支台歯の根面板に適合させればいいじゃん!と思うわけです。

でもこれはあまりにも正確じゃなさすぎるんですね。

磁石というのはピッタリくっついていないと最大の磁力を発揮できません。

例えば、根面板の水平度合いと、義歯につく磁石の水平度合いは一致していなければいけません。経験あると思いますが、磁石を外す時、少しずらすとすぐ取れますよね。それと同じです。

また、位置ズレもダメです。

磁石と金属は、くっつく位置をそのまま再現して義歯に埋め込まなければいけません。

そのズレを極力生まないために作るのがレジンハウジングです。

磁石と根面板をつけて、磁石の上にレジンを盛ります。

磁性アタッチメントの義歯を作る際、基本的に直接法で行います。

想像してみてください。

チェアサイドで、患者さんに根面板を取り付けて、磁石を用意し、義歯に磁石を埋め込むだけのスペースを確保するようにレジンを削り、取り付けた根面板の上に磁石を置く。

義歯をはめ込みその位置で動かないようにレジンを盛る。

ここのレジンの盛りが非常に大変です。

磁石と根面板の中にレジンが入り込んでしまうかもしれないし、レジンが固まるまで磁石が動いてしまも容易に想像できます。

だからレジンと磁石を一体型にするレジンハウジングを制作することによってエラーを少なくするわけです。

つまり、

磁石に合わせて義歯の位置を決めている」ことになります。

ここで問題を見てみます。

問題の矢印はレジンハウジングを指しています。

もう簡単ですね。eの磁石構造体が変位するのを防止するためです。

aの根面板の合着。

これは支台歯のお話。根面板は普通に支台歯にセメントで合着します。FMCとやり方は同じ。

bの側方力の軽減。

根面板の高さを低くすれば側方力は減少しますが、これもレジンハウジングのお話ではないのでバツ

Cの緩圧効果の向上。

緩圧効果とは、支台歯にかかる圧力を緩め、顎堤粘膜に負担を求めることで支台歯負担を軽減することを言います。

レジンハウジングにその機能はないのでバツ

dの義歯床の破折防止。

レジンハウジングにその働きはありません。

破折を防止したいなら、ポリカーボネート床(ノンクラスプデンチャー製作時の材料です)や、フレームをメタルにして折れないようにします。

よってレジンハウジングの働きは

eの「磁石構造体の変位防止」でした。

まだまだ磁性アタッチメントについて覚えることはあります。

次の記事にテストによく出るところを書いてあるので見てください。

 

 

【社会歯科】医療倫理の4原則いけますか


今回はこの問題です。簡単そうに見えて正答率が15.7%と、とても低い正答率の問題でした。

 

医療倫理の4原則の言葉の定義をはっきりさせておきましょう。

自律尊重:治療の可否に患者自身の決定を尊重する考え方。
善行:患者側に善を行うこと。医療者の善ではなく、患者側の善。
無危害:意図的に害を与えない。
正義:患者に対して公正、公平であること。有限な資源を適切に配分する←このように覚えてください

 

この中で間違うのは、ほとんど「正義と善行」です。

以下がポイント。

 

''善行''    →  患者に「プラス」になることをする
''正義''    →  患者に「平等」に接する

 

このキーワードだけ覚えておけばほとんど解けます。

1番目「患者に意図的に害を与えてはならない。」

簡単ですね。無危害です。

 

5番目「治療における患者自身の決定を尊重しなければならない」

これも簡単ですね。自律尊重です。

 

2番目「患者に対しては公正な態度をとらなければならない」

これはどうでしょうか。公正な態度とは、偏りがなくはっきりしている態度のことですので「正義」にあたります。

 

3番目「災害時には限られた医療資源を適正に分配しなければならない」

ですが、理解するよりもこれは正義だ!と覚えてしまった方が早いです。

公正・公平と、資源分配は「正義」!

 

4番目「医療の提供に際して患者の利益のために行動しなければならない」

患者の利益のため、とありますね。

これは平等というより、患者にとって利益(プラス)となる行動です。

よってこれは善行にあたります。

 

善行と正義で迷ったら、「まずは正義を探す」ことを行なってください。

 

問題を解いていると、これって全部善行じゃん、みたいな感覚になる時が必ずきます。

それを防ぐためにまずは正義を探して解いてください。

 

勉強というのは、

キーワードを覚えてしまえばカンタン、です。←ほんとに

だからこそ、教えてもらったもん勝ちです。

 

 

ということで答えは
「患者に対しては公正な態度を取らなければならない」

「災害時には限られた医療資源を適正に分配しなければならない」

となります。

 

今日も1日、お疲れ様でした。

 

 

【歯周病】116C9 正答率22% ステージとグレード分類

今回の問題はこれです。116回Cの9。必修問題です。今この場ではできるけど、試験会場の緊迫した雰囲気の中では解けないんじゃないかな、という印象。

今後、この分類の問題はまた出題されるでしょう。

歯周病は、その重症度の度合いで2つに分類できます。グレードの分類と、ステージの分類です。

学会が出しているステージとグレードの分類はこれ。

 ここから出題されるわけですが、最初からこれは覚えきれないでしょう。

 

下の一問一答を最低限解ければ良いです。



歯周病はその歯周病がどれだけ進んでいるものなのかを分類するために、「ステージとグレード」という2つの分類を作りました。

歯周病は、わかりやすく言えば歯の周りにある骨が溶けてしまう疾患のこと。

それを、X線上での骨吸収像がどれぐらいなのか、または実際に歯周病のせいでどれぐらい歯がなくなってしまったのか、などを調べて分類することにしました。

歯周炎のステージとグレードの分類で聞かれるところは、その分類が何を持って分類しているかです。要は分類している基準はどこなのか?ってこと。

 

ステージ分類は全部で4ステージあります。ステージ4が最も重症。

じゃあステージ分類はどうやって決められているの?

大きくは重症度と、複雑度に分かれます。さらに重症度は、3つの要素からなります。

歯間部の最も大きなCALエックス線画像上の骨吸収歯の喪失

の3つ。

例えば、パノラマを見て、骨吸収が歯根の1/3を超えていたら、ステージ3か4になります。

歯周炎により5本以上歯が喪失していたらそれはステージ4の歯周炎になります。

 

次にグレード分類。

グレード分類は、「一定期間内にどれだけ骨吸収したか、またはCALが変化したか」や、「バイオフィルムの蓄積と組織破壊の関係性」で分類します。

また、喫煙糖尿病の疾患もリスクファクターとして考慮されます。

 

今回の問題は、ステージに関する問題です。

ステージ分類で必要な要素は、重症度複雑度で、特に重症度はCALやX線上の骨吸収像や歯の喪失で考えるのでした。

 

aの喫煙や、bの糖尿病、dの骨吸収の経年変化、eのバイオフィルムの蓄積はグレードの分類に関するものでした。なのでバツ

この問題は、ステージとグレードを分類できるかの問題です。

答えはcの歯の喪失でした。

歯の喪失がないなら、ステージは1か2です。4本以内の喪失ならステージ3、5本以上喪失しているならステージ4です。

 

というわけで今回の解答は「C」です。

 

【クラブリ】112B89 〜二重圧排法の順番〜

今回の問題はこれです。二重圧排法の問題。

写真の並べ替え問題では細かく写真を見る必要があります。

見るべきポイントがあるので一緒に学びましょう。

二重圧排法の目的は「マージン形態を正確に採得するため」です。

 

今回のポイントは以下の通り。

 

写真では、使っている器具として、ジンパッカー(アとイの写真)とピンセット(ウ)があることがわかりますね。ここに気づくかが大事です。

「圧排糸を挿入するのはジンパッカー、除去はピンセット」です。

覚えておいてください。

 

 

二重圧排法の流れ↓

①細いコードを挿入(下に)

太いコードを挿入(上に)

太いコードを除去

④印象採得

⑤細いコードを除去

わかると思いますが、下手くそな絵を描いてみました。

この流れです。ポイントは、

細→太の順番。まずは細い。

・細いコードの役割は、歯肉溝滲出液の抑制。

・細いコードの方が下。(太いコードは歯肉辺縁を広げる役目。)

 

二重圧排法では、細いコードと太いコードの両方を使います。

まずは、細いコードをおき、歯肉溝滲出液が出るのを抑えます。

その後、太いコードを細いコードの上に置きます。

太いコードは、歯肉辺縁を押し広げてマージン形態を正確に再現するために使用します。

太いコードが入ったままでは印象は取れませんから、印象を取る前に、太いコードだけ外します。

太いコードを外して印象を取ります。その後、印象体の確認をします。ちゃんと採得できているかどうか。

採得できていると判断したら、残っている細いコードを取り出します。

オ→ウの流れが難しいところですね。

オが採得をし終わった印象体で、確認終了後に細いコードを取り出します。

ウもわかりづらいですね。そういう時は器具をチェックです。上で解説したように、コードの除去はピンセットで行います。ピンセットのおかげで、ウの写真が除去であることがわかります。

ということで、正解は、

イ→ア→エ→オ→ウ

でした。

他にも圧排の方法があるので、まとめておきます。参考にしてください。