11月かんたん力試しのざっと解説
すごく寒くなりましたが調子いかがでしょうか。
解いてもらった問題は平均点20問中、8.8問正解でした。
パーセンテージにすると、44%でした。
DDSスクールの方は+10問ぐらいかな?という印象です。
かいつまんで大事なところだけ解説します。
①歯牙の唇頬側面に見られる構造は?
全ての構造を一度に書いてしまうと便利とお話ししました。
添付した表をみて最初に解答用紙に形態異常を絵で描き切ってしまうと便利。
1分で書けるようになりましょう。
持っていない方はお送りするのでLINEに一言ください。
書けたら一発です。
答えは、臼歯結節とプロトスタイリッド。
②エナメル芽細胞の機能で正しいのはどれか。
そもそものエナメル質の成分から確認しましょう。
エナメル質は無機質が97%の構造。主にハイドロキシアパタイト。
繊維成分は存在せず、エナメルタンパクのみ。
象牙質は69%が無機質。これもハイドロキシアパタイト。
20%ほど有機質が見られるが1型コラーゲン、プロテオグリカン、非コラーゲン性タンパクが含まれる。
エナメル質の形成は第一次と第二次の2段階で行われる。
石灰化度は第二次石灰化を機に急激に増し、象牙質の石灰化度を抜かす。
エナメル質の石灰化は2段階、象牙質は1段階のみ。
第一次石灰化ではエナメル芽細胞の分化とエナメル質の石灰化の開始には
象牙質形成が必要。
幼若エナメル質にはアメロゲニンや水分が存在するが、その脱却は成熟期のエナメル芽細胞が行う。
以上を踏まえた上で解答は
Caイオンの供給、アメロゲニンの分泌、脱却。
③膵液分泌の促進は、セクレチンですね。
ガストリン→胃酸分泌促進
ソマトスタチン→胃酸分泌抑制、インスリン・グルカゴンの分泌抑制
コレシストキニン→膵分泌の促進(2つ選べの場合これが第2解答肢となる)
④感覚神経節はどれか。
翼口蓋神経節や、耳神経節、顎下神経節は副交感神経節に分類されますね。
感覚情報を伝えるのではなく自律神経の調節に関与するので✖️。
下神経節、膝神経節が正解。
例えば、軟口蓋の味蕾は大錐体神経を通り膝神経節に連絡。その後延髄孤束核に至ります。
⑤患者の被曝低減が目的で付加されているものはどれか。
グリッド→散乱線の除去。コントラスト低下の原因。散乱線が多いと低コントラストになる。濃淡と覚えれば良い。
コーン→違うとわかるはず。焦点と被写体距離感の一定化、照射方向明示が目的。
ターゲット、フィラメント→当たり前に違う。
グリッドとフィルタで迷っている人が多い。
フィルタは低エネルギー線の除去のために用いられているので、余分な被曝を減らせます。

⑥発痛作用の増強はプロスタグランジンですね。
アンジオテンシンと答えた方はすごく多かったですが、
血圧上昇のペプチドのことでしたね。
元はアンジオテンシノーゲン。アンジオテンシノーゲンがレニンによりアンジオテンシン1に変換される。
1はアンジオテンシン変換酵素(ACE)によりアンジオテンシン2に変換される。
2は血管平滑筋を収縮させる作用を持つので結果血圧が上昇する。
2がAt1レセプターに結合することによりアルドステロンが分泌されナトリウム吸収促進し、体液量が増加する。その結果血圧が上昇する。
⑦矢状面とはつまり縦方向なので胸骨舌骨筋。
⑧骨格筋の収縮で正しいもの
筋小胞体にはCaイオンが貯留されており、横行小管の脱分局によって筋小胞体のCaイオンチャネルが開きCaイオンが放出される。
活動電位にプラトー相が見られるのは心筋の特徴なので✖️。
筋肉が弛緩するためには、放出されたCaイオンが筋小胞体に能動輸送で戻される必要があるが、ATPが枯渇すると能動輸送は行えなくなるため細胞質のCaイオン濃度が高いままで維持され、収縮状態が持続する。これが硬直。
例えば死後硬直はこれが理由。
終板電位が発生するのは神経筋接合部のAchのニコチン受容体がAchを受容することによる。
この電位が活動電位となり横行小管系に沿って筋繊維に伝達される。
ミオシンフィラメントは収縮しない。アクチンフィラメントがミオシンの間に滑り込むことにより筋節が短くなり筋収縮が起こる。
よって答えは、筋小胞体からのCaイオンの放出、ATP枯渇による収縮状態の持続。
⑨解剖の問題。得意になってください。
答えは小口蓋孔と上眼窩裂。後者は上顎骨と関係ありそうに聞こえますが間違いなので注意。
⑩細網組織とは何ですか?
コラーゲンの幼若型で、3型コラーゲンが多く含まれています。渡銀染色で染まります。
多く含まれているのは、胸腺、骨髄、リンパ節など。
脾臓にも多いです。
結合組織の種類はいくつかあります。
1 線維性結合組織(疎性と密性)
→疎性は皮下組織とか。密性は真皮や腱、靭帯など。
2 脂肪組織
→クッション。皮下脂肪、腸間膜の脂肪など。
3 弾性組織
→弾力が必要な部位に存在。動脈の中膜とか。
4細網組織
→前述の通り
5 膠様組織
→グリコサミノグリカンが豊富。胎児の臍帯など。
⑩分葉核を持つのは単球と好中球です。
単球はU字型の核を持ち、マクロファージに分化し、貪食能と抗原提示能を有するようになる白血球としての仲間。
好中球は顆粒白血球として存在しており、白血球の6-7割が好中球。
分葉核を持ち、顆粒は淡いピンク色に染まる。
急性炎症時に増加します。
半分まで終わりましたね。
次回もう半分もやりましょう。
11月かんたん力試し
11月の力試し問題を作成しました。
今回は20問あります。
誰でも解けるので解いてみましょう!簡単な解説を来週出します。
来週から週に1回ほど10問程度の問題を定期的に出していく予定です!
【保存修復】紛らわしいところの攻略
もう11月ですね。
風邪をひきました。
もう大変です。
声も出ない、頭痛い。。。
クリニックの方も少しお休みをいただきました。
100%の治療でお返しするつもりです。
寒暖差で体調崩す人とても多いです。
インスタグラムを見ていても、面白いぐらいみんな体調崩したストーリーを上げていました。
十分注意してくださいね。
今日は保存修復です。一気に4問いきます。
情報の整理ができている人は解けるかなと思います。
問題を解いてから解答を見てください。




定義が曖昧になってくると途中で間違ってくるんだよ。
と物理の苑田先生の言葉を思い出しました。
1問目。
まず何をやってるのか。メタルインレーが脱離し、う蝕を取った後ですね。
結構窩洞が大きい。この窩洞にグラスアイオマーセメントを填入してます。
この後に、アンレーの形成をして印象をとる、という流れ。
臨床やっている人なら簡単なんですが、なかなか触れてないと解きづらいかも。
臨床では埋めた後一週間か二週間おいて歯髄に影響がないことを確認してから形成します。
aは外来刺激の遮断ですね。正解です。神経が生きてるのでそのままお返ししたら麻酔切れた後悲惨なことになっちゃいますからね。
b咬合関係の修復 咬合関係は修復する必要ありません。アンレーを作るといっているのだから、アイオノマーで埋めた後咬合を回復しても結局切削するので意味なし。
c窩洞形態の修正 正解。窩洞の形が歪だとアンレーの形も変になってしまいます。
ですからう蝕を取った直後のボコボコのところにセメントを埋めて平らにして形態修正を行います。
d 遠心の歯質とかとても薄いですね。このままだと破折してしまいます。なのでセメントで歯質にセメントの裏打ちを作ってあげて強化する。残存歯質の強化 正解です。
e修復象牙質の形成を促進する作用は微弱なんですがあります。eも4つ選べならあり得ます。この中で最適なのはacd。
セメントの裏装の目的は3つ。
①外来刺激の遮断
②窩洞形態の修正
③歯質の補強

二問目。
エナメル質の窩縁に青い液体がついてます。
セレクティブエッチングです。
エッチングの目的は4つ。
①スミヤー層の除去
②レジンのぬれ向上
③接着面積の増加
④辺縁漏洩の防止
です。
aは正解。リークを防ぎます。
bエッチングでエナメル質の窩縁を保護は出来ないですね。じゃあこれは何を言っているのかというと、メタルインレーです。メタルインレーにベベルを付与することによって窩洞辺縁部のエナメル質を保護できます。
cのホワイトマージンの発生防止ですが、逆に発生しやすくなります。
dの窩縁エナメル質への接着力強化は正解ですね。エッチングの本来の目的です。
eのコンポジットレジンの収縮応力の緩和する役割はないです。
よって解答はad。

3問目。
エナメル質の窩縁をラウンドバーで切削中。
見て分かりますが、ベベルを付与しています。
どんな処置でベベルを付与しているのかというところに注意です。
具体的には、コンポジットレジン修復とインレーのベベル付与では、ベベルの役割が異なりますね。
1つずつ見ていきます。
aの重合収縮の補償はメタルインレーのベベルの役割です。
bの色調適合性の向上。これは正解です。歯質とコンポジットの境目がぶつ切りだと、いかにも境目!という感じが出てしまうので歯質をなだらかに移行的にしていきます。
cの酸処理範囲の確認は最初に削除する選択肢。
dのエナメル質窩縁の保護はこれもまたメタルインレーのベベル付与の役割です。
eのホワイトマージンの防止は正解ですね。即日研磨を避けることやベベル付与によってホワイトマージンができるのを防ぐことができます。
メタルインレーにおけるベベル付与の目的は以下の3つを覚えておきましょう。
①インレー体の収縮、浮き上がり補償
②エナメル質窩縁の保護
③辺縁封鎖の補正(圧接、すり合わせ)

最後の1問。順に見ていきましょう。
メタルインレーを形成する時にセメントで裏装することはよくあります。
う蝕を切削して歯質がガタガタになった場合や、歯髄に近接している場合に一層窩洞底部にセメントを引きます。
メタルインレー修復における裏層の目的は以下です。
①外来刺激の遮断
②窩洞形態の修正
③薬物効果の期待
④使用金属の節約
⑤覆髄部や断髄部の補強
これを踏まえた上で選択肢を見ると
cとdが正解だと分かります。

今回はこの4問を取り上げました。
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11月より追加申し込みを開始しました。
追加の募集はここがラストになります。
また、随時勉強法の相談など無料カウンセリングを行なっています。
できる限り答えています。
こちらのフォームから受け付けています。
歯科医師国家試験を振り返ってみる
いよいよ発表が明日になりました。
受験した皆さん、本当にお疲れ様でした。
試験が終わった後も生真面目に見直すのは、根を詰めすぎです。
せっかく国試のために調整して頑張ってきたんですから、試験が終わったらちゃんと自分の好きなことに熱中してください。
かくいう私も国試を受験し合格し歯科医師として働いているわけですが、終わった直後なんか、放心状態でした。
特にめちゃくちゃ勉強を頑張ったとかではないんですが、やっと6年間の監獄生活が終わった感じがして、本当に嬉しかった。(合格発表まだなのに)
1日目にみんな必修だけ自己採するんですが、あんまりおすすめしません。
私は結局終わってもなんの自己採点もせず、大学から採点を催促されてやっと麻布の採点サービスに打ち込んだぐらいです。
結果変わらないならやっても無駄だとか思ってたんですが、やっぱり統計取る以上協力はしとこうか、、ぐらいのモチベーションで。
直前は1日15時間とか勉強していました気がします。
6年生は2つの不安があります。まず大学を卒業できるか、それに歯医者さんになれるかどうか。
私は人より勉強量が少なかったので、その点の不安は少なからず抱えていました。
その上でなぜ合格できたのかを客観的、主観的に考えてみました。
ちょっとは参考になるかな、と。赤裸々に挙げます
下に思い浮かぶもの挙げてみます。
・なんとかなるやろ、という根拠のない自信があった
・講義資料をほとんど見ずに問題演習に9割の時間を占めていた
・大学の勉強はほどほどにして市販の教材で対策をしていた
・一秒でも早く大学を抜け出したいと思っていた
・1週間の予定をタスクベースで立てて、それをこなせば良いだけにした
・授業中の板書をほとんどしなかった、必要なところだけメモしてた
・苦手な分野を早期に発見してその分野だけやりまくっていた
・ブループリントからどの分野が何問ぐらい出るのかを試算して『範囲が多いけど難しいところ』『問題数少ないけど確実に得点できるところ』『苦手なのによく出る分野』を狙い撃ちしていた
・細かくテスト形式にして、点数を常々客観視できるようにしていた
といったところでしょうか。もちろんこうしとけば良かったな、、、と思うことも挙げてみます。
・直近3年分の国試を通しで解かなかった←本当に後悔した
・もっと真面目にやれば良かった
・もっと問題演習の量を増やすべきだった
・todoをどう立てていいか分からず、タスクを詰め込みすぎて毎日消化不良だった
・自分がわからない部分を聞く場所がなかった
・勉強法で悩んだとき、周りの人に聞くのが恥ずかしくてPDCAサイクルを回せなかったので効率悪い勉強をしていた
たいていの悩みは、勉強法が間違っていることによる成績不振と、モチベーション低下です。ほとんどこの2つです。
こうしてたらもっと楽に受かったのになというのが多く残ったりもしたので、じゃあ自分でそれが達成できる塾があれば良いと思い立ち、作ったわけです。
大事なのは環境であると、いつ気づけるかが大事だと思った受験生時代でした。
歯科医師国家試験の合格率が低い理由
歯科医師国家試験と検索すると、「闇の合格率」など候補に出てきます。
今の時期、卒試も終わり中弛みしてしまう人も多いので、気をつけてください。
直近の歯科医師国家試験第116回を見てみましょう。
合格率は63.5%。出願者比で見れば合格率は54.7%まで落ちます。
現役生は出願者2383人に対して実際の受験者は1919人。
464人の現役生は受験会場に来ていません。
来ていないというか、現実に来ることができなかったということ。
卒業試験などでこけてしまったのでしょう。
これを加味すれば、出願者に対する合格者は62.2%。
医師国家試験ではあり得ない数字です。
相対評価ですから、厚生労働省が増えすぎた歯科医師を抑制します。
その結果、全体で見れば、
45%の受験生は落ちて浪人することになります。
これは117回でも変わらないでしょう。
自分も例外ではないことを心の片隅で良いので、置いておきましょう。
自分より成績が悪かった人が国試に余裕で受かって自分が落ちた、という経験をした人も少なくないはずです。
しかし逆を返せば、私のような元々努力ができない人間でも逆転合格できる可能性は大いにあります。
私は自分の生徒さんたちには「個別指導で、知識を買おうとするんじゃダメだよ。合格の安心と自信を買うんだよ。ここで学んでいるんだから大丈夫だという安心と自信を。」と教えています。
私が教えている生徒は知識はないけれどやる気がある人たちが多く、
効率厨の私より成長速度の早い生徒さんも結構います。
そういう人たちが、元々成績の良い人を追い抜いて合格していくのは
見ていてとても嬉しいです。
教えていてよかったなあと思う瞬間です。
おそらくですが、私が教えた人が受かる人が多いのは
・覚えるべきところと覚えなくてもいいところがとても明確
・理解を伴って覚えるべきところと、理解しなくても良いから覚えるべきところを教えている
からだと思います。
全てに理由をつけて覚えようとしている人がいますが、
私の体感で言えば落ちる人が多いです。
まずそもそも時間がないです。
成績上位者で余裕があればそれでも良いですが、
そうでもない限りしっかりと理解するべき部分、ただの暗記で良い部分を分けるべきです。
ほとんどの受験生はこれがわかりません。
なので、その部分を私が教えているという感じです。
だからスピード感を持って勉強ができるということです。
理解を伴わないと、覚えられないという人がいますが、
そんなことはないことを認識して下さい。
それを解消するのが「反復」であることを覚えておきましょう。
1つの事実を覚えるのに理解を求めたら、合格までに3、4年はかかります。
テストの結果でバカにされてきた人が、
私が微力なりとも教えてきた知識で
受験生のランキングを上へ駆け抜けていくことが本当に私のモチベーションです。
勝負事は残酷です。
知識がなければ落ちます。
運がなくても落ちます。
運を掴むのは、根拠のない自信を持ち、当日まで努力し続けられた人です。
運と実力を掴んだ人に、試験会場の悪魔は太刀打ちできません。
【部分床】よく出る磁性アタッチメントの覚えるところ
先ほどの記事の続きです。
磁性アタッチメントは国試作成委員にも研究している人が入っていたはずです。
覚えれば簡単なので落とせないところです。

覚えるべきなのは、
①構造 ②特徴 ③製作手順
の3つ。
①磁石は2種類。その元素を覚える。キーパーの付け方が国試に出る。
②磁力はなんの力?→「維持力」(❌支持、把持)
③製作手順で出題されるのは「レジンハウジング」を用いた製作
①構造
そもそも磁性アタッチメントは、「磁力で義歯を外れにくくしましょうね」、という義歯のこと。それに加えて、「お年寄りの人、手がうまく動かない人」のための義歯であることも覚えておきましょう。
義歯には着脱方向がありましたね。実習などでも、患者さんの義歯を外そうとしてもなかなか取れにくかった経験をした人も少なくないでしょう。
「義歯は意外と外しずらい」んですね。手の麻痺した患者さんが入れ歯を外すのに苦労してしまいます。だから磁性アタッチメントを使用します。
磁力であれば、外す方向が自由です。ちょいとずらせば義歯が取れます。
つまり「指向性(外す方向)が無く、巧緻性の低い患者に有利」です。
磁石でカチャっとはめて外すことができる便利なやつです。
また、磁力は減衰しないので長期使用しても性能が劣化しません。
テストに出る構造のポイントは以下の通り。
⑴磁石の元素→ネオジム磁石ならNd,Fe,B 、サマリウム・コバルト磁石ならSm,Co
⑵キーパーの装着には、鋳接するよりも「セメントで接着」する方が良い。
磁石の元素記号がテストに出ます。
この5つ(Nd、Fe、B、Sm、Co)を覚えておきましょう。
また、磁石構造体は口腔内に設置されるのではなく、「義歯に取り付けるもの」なので注意です。
続いてキーパー。
キーパーとは、根面板の上に取り付けられる構造のことで「磁石とくっつく部分」です。
つまり根面板をつけただけではだめで、キーパーを取り付けなければならないということです。「根面板は磁石とは接しない」と覚えましょう。
キーパーは実際に磁石と接する場所なので重要です。
根面板の上にキーパーを取り付けるわけですが、その取り付け方には2種類あります。
1つは、「鋳接法」と言います。
根面板のワックスアップを行って、そのワックスパターンの中に実際の磁石を埋め込みます。それをそのまま鋳造してしまいます。
つまり鋳造の時にワックスが溶けて金属が流れ込んで、
「根面板とキーパーが一塊となる」んですね。
ということは、キーパーは、一緒に鋳造されに炉の中に入るわけですからとてつもなく高温の状態にさらされます。
高温にさらされたキーパーはどうなるでしょうか。
キーパーは、磁性ステンレスという金属なので、金属が高温になれば「酸化膜」を形成します。
また、根面板を鋳造したら、当たり前に鋳造収縮を起こします。
その勢いでキーパーがズレます。
前の記事でも話したように、キーパーがズレてはいけません。
鋳造して接着する鋳接法では、変形や酸化膜形成といったデメリットが存在するんですね。
だからあまり好まれません。
一応対策として、キーパーの上面を平らに研磨することである程度回復します。
次に「KB法」という方法。
キーパーボンディングの略です。
これは簡単で、根面板のワックスアップ時にキーパーが入る部分のスペースを開けておきます。(キーパートレーというものを用います。)
それを鋳造した後にキーパーをセメントで取り付けます。
すると、「酸化膜が形成されず、変形も生じない」ものが出来上がります。
このセメントは「レジンセメント」です。覚えておきましょう。
特にキーパーボンディング法(KB法)が国試に出題されやすいです。
②特徴
磁性アタッチメントで覚えるポイントは以下の通り。
⑴キーパーよりも大きな磁石を使ってはいけない
⑵義歯から支台歯への側方力は弱いため、支台歯が保護できる
⑶垂直方向への離脱時に磁力は最大限効果を発揮する
磁石が効果を示すのは、側方の力ではなく垂直方向への力です。
なので義歯を真上に取ろうとしてもなかなか取れません。
また、大事なのが、「磁石とキーパーは同じ幅にする」ということ。
磁石は「閉磁路」というものが存在します。
冷蔵庫に磁石を貼り付けても普通にくっつきますが、
磁石を冷蔵庫からはみ出るように端っこにつけると、磁力が急激に低下して剥がれ落ちてしまいます。
これは閉磁路が崩れるから。
「磁石の面は必ず全て覆わなければいけない」と覚えても良いです。
③製作方法
前の記事でも書きましたが、簡単におさらいしておきましょう。
大事なポイントは以下の通り。
⑴根面板は、顎堤と平行ではなく、「咬合面」に平行にする。
⑵ハウジングを行うときは模型上で「荷重をかけた状態」で硬化させる。
よく問題で出ますが、
「根面板は、顎堤と平行に設置する」
これはバツです。咬合面と並行に設置してください。
ハウジングとは"housing"と書きます。
つまり囲い込むってことです。
基本的に、義歯床と磁石構造体の固定は「口腔内で直接」行います。
直接法で行うということは、エラーが起きやすいとわかるはずです。
このエラーを起こさないために模型上でハウジングを製作します。
ハウジングを製作したら、義歯上のハウジング相当部分をガッツリと削ります。
それでハウジングが義歯に入るスペースを確保します。
前記事でも載せましたが、
「磁石に合わせて義歯の位置を決めている」と考えてもらって良いです。
磁性アタッチメントで重要なのは磁力です。この磁力を最大限発揮させるため
磁石の位置を基準として義歯の位置決めを行い、固定しています。
ハウジング=ずれないようにする
ことを覚えておいてください。
長々と話しましたが、国試に出やすいポイントでした。
【部分床】114C84 磁性アタッチメントの構造と目的

ラインからの質問返信です。114C84がわかりません。
今回の問題はこれです。磁性アタッチメントで義歯を作る際の各構造の働きがわかりますか?という問題。
根面板は支台歯についていて、FMCみたいなやつ。
とは言っても咬合面は真っ平らです。
磁性アタッチメントの問題で、磁石とレジンの複合体が出てきたらそれは「レジンハウジング」です。
ちなみに、磁性アタッチメントは自費です。やる人あまりいないと思います。でもテストには出ます。
問題のポイントは以下です。
・レジンハウジングは、支台歯側ではなく義歯側につける
・磁石構造体は義歯側につける
・レジンハウジングで磁石を埋め込む理由は、根面板と磁石の位置を正確にするため
模型に金属の支台歯みたいなのがくっついています。これが根面板。
問題文からわかるように、キーパー付き根面板です。
次に、プラスチックに金属がついています。
この面とこの面がくっついて、磁石の力を利用した義歯が出来上がるわけです。
普通に考えたら、義歯にそのまま「ここだな〜」って部分に磁石を埋め込んで、
磁石入り義歯を作って支台歯の根面板に適合させればいいじゃん!と思うわけです。
でもこれはあまりにも正確じゃなさすぎるんですね。
磁石というのはピッタリくっついていないと最大の磁力を発揮できません。
例えば、根面板の水平度合いと、義歯につく磁石の水平度合いは一致していなければいけません。経験あると思いますが、磁石を外す時、少しずらすとすぐ取れますよね。それと同じです。
また、位置ズレもダメです。
磁石と金属は、くっつく位置をそのまま再現して義歯に埋め込まなければいけません。
そのズレを極力生まないために作るのがレジンハウジングです。
磁石と根面板をつけて、磁石の上にレジンを盛ります。
磁性アタッチメントの義歯を作る際、基本的に直接法で行います。
想像してみてください。
チェアサイドで、患者さんに根面板を取り付けて、磁石を用意し、義歯に磁石を埋め込むだけのスペースを確保するようにレジンを削り、取り付けた根面板の上に磁石を置く。
義歯をはめ込みその位置で動かないようにレジンを盛る。
ここのレジンの盛りが非常に大変です。
磁石と根面板の中にレジンが入り込んでしまうかもしれないし、レジンが固まるまで磁石が動いてしまも容易に想像できます。
だからレジンと磁石を一体型にするレジンハウジングを制作することによってエラーを少なくするわけです。
つまり、
「磁石に合わせて義歯の位置を決めている」ことになります。
ここで問題を見てみます。
問題の矢印はレジンハウジングを指しています。
もう簡単ですね。eの磁石構造体が変位するのを防止するためです。
aの根面板の合着。
これは支台歯のお話。根面板は普通に支台歯にセメントで合着します。FMCとやり方は同じ。
bの側方力の軽減。
根面板の高さを低くすれば側方力は減少しますが、これもレジンハウジングのお話ではないのでバツ。
Cの緩圧効果の向上。
緩圧効果とは、支台歯にかかる圧力を緩め、顎堤粘膜に負担を求めることで支台歯負担を軽減することを言います。
レジンハウジングにその機能はないのでバツ。
dの義歯床の破折防止。
レジンハウジングにその働きはありません。
破折を防止したいなら、ポリカーボネート床(ノンクラスプデンチャー製作時の材料です)や、フレームをメタルにして折れないようにします。
よってレジンハウジングの働きは
eの「磁石構造体の変位防止」でした。
まだまだ磁性アタッチメントについて覚えることはあります。
次の記事にテストによく出るところを書いてあるので見てください。
